Archive for the ‘キット頒布’ Category
R=2Rキットの取説ホームページ
手作りアンプの会の会員限定で頒布しているR=2Rラダー型ディスクリートDAC基板キットの説明ホームページが、なぜかgoogle検索に載っている…
どこでURLが漏れたのやら。あのページには、EAGLEの実装データ(board data)やガーバデータを掲載していて、誰でも基板をコピー製造できるので、一般にはURLを公開していなかったのだけど。
退院して帰宅したら、製造に関するデータは非公開にしておかなくてはなぁ。
ATAPI CD-ROMドライブコントローラ頒布
ATAPI CD-ROMドライブコントローラの、第3回頒布についてホームページに掲載しました。希望される方は,良く読んで納得してからお申し込みください。今回はいろいろと頒布形態で新しいことをしていますので、注意してください。
ただし、明日から10日ほど入院しますので、受付開始は退院後となります。フライングの申し込みは、すべて無視します。
まだ部品を入手していなくて、動作確認もきちんと出来てはいませんが、動作は問題ないと思います。ただし、もしかしたらトラブルにより頒布は中止するかもしれません。その場合はご了承ください。
キット頒布の難しさ
キット頒布の難しいところに、頒布価格の設定がある。
あくまでも趣味の範囲で頒布するのだから、儲けを出すつもりは無い。もちろん赤字になるのは論外だが、部品代と発送費用だけ賄えれば良いとも思う。実際には、部品屋への交通費、試作に要した費用、当然ながら開発に費やした工数が掛かっている。
ここで、簡単な確認をしてみる。部品代+発送費用+試作費用等で5000円のキットを50個頒布するとして、頒布価格をいくらにするかで、下表の結果となる。ここで、損益分岐と書いているのは、マイナスからプラスになる(つまりトントンになる)キット頒布数で、この数まで頒布しないと赤字になる数字である。
不良在庫による赤字以外にも、キットの致命的バグによる返金、クレームによる損害、発送事故による損害など、いろいろなリスクが考えられるため、原価よりはプラスの頒布価格にすることになる。
たとえば6000円とすると、最終的な利益は5万円となり、妥当に思える。ただし、この場合には、赤字にならないためには42セット以上の希望者が必要となる。よほど魅力的なキットならばともかく、私の経験では50セットだと全数が出るには1〜2ヶ月を要する。魅力に乏しいと、42セットに届かない可能性も高い。
かと言って、10000円に設定すると25セット出るだけで赤字脱出だが、希望者が少なくなるだろうし、全数出たときの最終利益が25万円といたずらに大きくなってしまう。そもそも、25万円もの利益を手にしたら、趣味ではなくなってしまうような気がする。(私が古風なだけかも?)
いままで2回キットを頒布したが、この頒布価格設定が一番悩んだ点である。これからキットを頒布しようとする人は、赤字にならない程度に良心的な頒布価格を心がけてもらえれば、アマチュアキット頒布の未来も明るくなるだろう。
ちなみに、たとえば商売として販売するのであれば、原価率は30%くらいに設定するようだ。この例では16000円(高い!)で、55万円の利益となる。これでも、毎月50セットを完売してやっと一人分の食い扶持である。やはりオーディオは職業にせず、趣味に留めた方が無難なようだ。
アマチュアのキット頒布
http://khimaira.seesaa.net/article/1649380.html
アマチュアでキット頒布をしようとする人が、また現れたようだ。
たしかに、キット頒布は面白いし、良い経験になる。2回目以降は辛いだけだが、一度はやってみて損はしないだろう。
ただし、先日も書いたように、マナーと言うか感性を疑う人もごく一部にいるので、そう言う人にぶちあたると、やりきれない思いをするんじゃないかな。
また、なぜキット頒布をするのか、もう一度考えたほうが良いかもしれない。
・自分の回路を世に問うてみたい
・自分が良いと思っている音を他の人にも聞いてほしい
・基板を発注すると最小枚数でも余ってしまうので、もったいない
・なんとなくかっこよさそう
・小遣いを稼ぎたい
いろいろ理由はあるだろうが、まぁ頑張ってみてください。応募者が良い人ばかりだといいですな。
キット頒布の発送完了
今日、ATAPI CD-ROMドライブコントローラキット 第2回頒布の最後の発送が完了。やっと一息つけます。
ところで、いまのうちに書いておきますが、第3回の頒布は行うつもりは全くありません。要望を私に送ってきても無視しますので。
部品を揃えるのに数十万円の持ち出しでスタートになることや、部品を取り寄せて袋詰めにする手間は大したことはありません。面倒なのは、在庫個数と入金と発送の管理。ほとんど儲けは無いとは言え、他人様のお金を預かる以上は気が抜けません。
今回のキットは基板の最小ロット数の関係で最小キット数は100セットとなり、一度に2セット希望する人をいれても70人程度を相手にすることになるわけですが、たまに入金や発送その他の問い合わせや質問をする人がいるのです。しかも返事をしないと腹を立ててたりするし。最初の応募の返事のために70通のメールを書くだけでも結構手間なのに、入金や発送の問い合わせやもろもろの質問の返答メールを書くのは、普通のサラリーマンの私には辛いものがあるのですが… まぁ、相手から見ると私とは1対1なのでしょうけど。もっとも、私の発送が遅れたために、至極もっともな問い合わせを受けたことも何度かあったりしますが。
実は、私がもうキットの頒布をやりたくないという本当の理由は、キット頒布の理由がよく分からなくなったためです。キットを提供することでオーディオ工作、デジタル工作を体験してもらい、最後は自分で設計とまではいかなくても雑誌やWebの製作記事を元に製作できるところまで出来るようになってほしいと思って始めたわけですが、どうやらキットを作り散らかすだけの人が、ごく少数ながらいるようです。しかも、次々にキットを購入しては、気に入らないのか次のキットを購入する資金にしたいのか、第三者にオークション等で売りさばいている始末。アマチュアが自分の時間を使ってまで原価率が非常に高い頒布をしている理由が分からないのでしょうか。こんな奴らがいては、頒布のモチベーションなんて下がりっぱなしです。例えば、友人から譲ってもらったものを、その友人に黙ってオークションで売る人がいるでしょうか? 多分いないでしょう。それと同じことを期待するのは、無理なのでしょうか… 商売としてきっちり儲けを出すのに原価率を30%くらいにできれば割り切れるかもしれませんが。
というわけで、キットのネタも無いわけではないですが、頒布は行いませんので。あしからず。