シュバルのスケッチブック


衣服に厚みを付ける方法

人物を描いたのはよいが衣服(布)に厚みがない、まるで紙を着ているようだ、ということはありませんか。輪郭線を太く強調してみたがあまり効果がなかったとか。衣服の厚みは輪郭線の太さに関係なくて、以下の要素で表現されると考えます。
 1.輪郭の形
 2.しわの入り方
 3.縁(ふち)の表現

これらのうちここでは、事務的に処理できて効果の高い「3.縁の表現」について説明します。
※尚、ここで説明する方法は簡単に実践できることを一番に考えており、本式ではありません。布が厚くなるほど近似からはずれておかしく見えます。

縁の表現によって衣服に厚みを付けるには

ポイントとして、衣服の縁が丸まったり折れたりして裏側の見えている箇所があります(例:袖口、襟元)。このような箇所をその形どおりに描くと、布に厚みが無くなって人物が画用紙を着ているように見えます。裏側が見えている縁の部分を以下のようにしましよう。これで衣服に厚みが生まれます(右の図を参照のこと)。
 1.縁の手前の線を
 2.短くして
 3.曲げる

※この方法に芸術的センスは必要ありません。裏返っている縁があれば即ち処理する、そうすれば衣服に厚みがついて見える、そういうものです。
※2の手順で線を短くするほど衣服は厚く見えます。が、あまり厚くすると変になります。極厚の衣服は正攻法で輪郭やしわを描かないと表現できないでしょう。

衣服における実際の応用例

袖口、襟元、風防の例を右の図に示しています。

その他における応用例

衣服に限らず板、シート状のものでできていれば、同じ方法で厚みを表現できます。ここではコーヒーカップの例を右の図に示しています。
※持ち手の部分が変に見えます。持ち手の厚みを表現するにはこの方法では限界があります。

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